「インプラント」とは、どんな治療法ですか?
「インプラント」とは、歯の抜けた所に、人工の歯根を植え、しっかりと顎(あご)の骨と固定した後、その上に人工の歯を製作し装着する方法です。天然歯と同様の、健全な咀嚼運動(噛み砕き、飲み込む運動)ができるようになります。
インプラントは従来の方法とどのように違いますか?
インプラントには、従来の入れ歯のようにアクリル系やプラスチックの床(ピンク色の部分)、あるいは残存している歯に引っ掛ける止め金が必要ないので、口の中がスッキリとし、本来の自然な運動が甦ります。
また、製作された人工の歯もぴったりと固定されてますから、固いものでも楽に食べられるようになります。
インプラントにするとどのようなメリットがありますか?
メリット1
歯が1本抜けている場合、従来の治療法では両側の歯を削りブリッジブリッジという方法が取られていました。しかし、インプラントなら抜けた部分のみにインプラントを行うことができるので、他の歯を削る必要はありません。
メリット2
たくさんの歯が抜けている場合、従来のブリッジなら残っている歯だけで、かむ力を支えなければなりません。このかむ力はとても大きなものです。インプラントにすると、本来の歯数のバランスがとれますので、咬合圧(かむ力)による負担が少なくなります。
メリット3
奥歯が抜けている場合、従来の方法では、取りはずしする入れ歯でしたが、インプラントにすると、取りはずさないですむブリッジが入れられますから、しっかりと固定され、安心して食事ができます。
デメリット1
インプラント治療には手術が必要です。そのため、全身疾患などによりインプラント治療が適応外となる場合があります。
デメリット2
インプラント治療は保険適応外となるため、治療費が高額となります。治療費に関しては治療の難易度等に応じて異なりますので当院歯科医師へご相談ください。なお、高額療養費制度の適応となります。
インプラント治療は歯槽骨とインプラントとの結合が要になります。当院では世界的なシェアを誇るStraumannインプラントを使用しています。Straumannインプラントは40年以上にわたる臨床実績を持ったインプラントであるため、多くの歯科医師が採用しているインプラントメーカーです。
また、インプラント治療に際してはコンピューター上でシュミレーションを行い、安全な手術を目指します。
●インプラント治療の手順
歯周基本治療
虫歯など他の歯の治療
歯型の型取り、パノラマレントゲン、CT撮影
埋入シュミレーション
手術
インプラントと歯槽骨の結合を待つ待機期間(3-4か月)
必要に応じて2回目の手術(ケースによります)
仮歯の型取り
歯茎の状態をみて最終的な被せ物の型取り
被せ物の装着
調整
定期的なメンテナンス
また、インプラント治療の成功率は文献によって異なりますが、90%以上の症例で10年以上経過していると報告されています。この成功率には定期的な歯科医院でのメンテナンスや、患者様の口腔ケアが不可欠となります。それでもインプラント治療が成功しない患者様がいらっしゃることも事実です。患者様ごとの治療計画が重要となりますので歯科医師へご相談ください。